一春の歌
おお大地震《だいぢしん》と猛火、
その急激な襲来にも
我我は堪《た》へた。
一難また一難、
何《な》んでも来《こ》よ、
それを踏み越えて行《ゆ》く用意が
しかと何時《いつ》でもある。
大自然のあきめくら、
見くびつてくれるな、
人間には備はつてゐる、
刹那《せつな》に永遠を見通す目、
それから、上下左右へ
即座に方向転移の出来る
飛躍自在の魂《たましひ》。
おお此《こ》の魂《たましひ》である、
鋼《はがね》の質を持つた種子《たね》、
火の中からでも芽をふくものは。
おお此《こ》の魂《たましひ》である、
天の日、太洋《たいやう》の浪《なみ》、
それと共に若やかに
燃え上がり躍り上がるのは。
我我は「無用」を破壊して進む。
見よ、大自然の暴威も
時に我我の助手を勤める。
我我は「必要」を創造して進む。
見よ、溌溂《はつらつ》たる素朴と
未曾有《みぞう》[#ルビの「みぞう」は底本では「みそうう」]の喜びの
精神と様式とが前に現れる。
誰《たれ》も昨日《きのふ》に囚《とら》はれるな、
我我の生活のみづみづしい絵を
塗りの剥《は》げた額縁に入《い》れるな。
手は断《た》えず一
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