う》の勝手なる、無残なる刺激は
陋劣《ろうれつ》にも食物《しよくもつ》をもてす。
さてまた、其等《それら》各種の虫の多きに過ぐれば
職虫《しよくちう》はやがて刺し殺して食らふとよ。

[#ここで段組終わり]
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[#ページの左右中央から]

   幻想と風景
        (雑詩八十七章)

[#改丁]
[#ここから2段組]

    曙光

今、暁《あかつき》の
太陽の会釈に、
金色《こんじき》の笑ひ
天の隅隅《すみずみ》に降り注ぐ。

彼《か》れは目覚《めざ》めたり、
光る鶴嘴《つるはし》
幅びろき胸、
うしろに靡《なび》く
空色の髪、
わが青年は
悠揚《いうやう》として立ち上がる。

裸体なる彼《か》れが
冒険の旅は
太陽のみ知りて、
空より見て羨《うらや》めり。

青年の行手《ゆくて》には、
蒼茫《さうばう》たる
無辺の大地、
その上に、遥《はる》かに長く
濃き紫の一線
縦に、前へ、
路《みち》の如《ごと》く横たはるは、
唯《た》だ、彼《か》れの歩み行《ゆ》く
孤独の影のみ。

今、暁《あかつき》の
太陽のみ
光の手を伸べて
彼《か》れを見送る。


    大震後第
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