と云《い》はるるはよし、
唯《た》だ恐る、かの粗忽《そこつ》者こそ世に多けれ。


    女

「鞭《むち》を忘るな」と
ヅアラツストラは云《い》ひけり。
「女こそ牛なれ、羊なれ。」
附《つ》け足して我ぞ云《い》はまし、
「野に放《はな》てよ」


    大祖母の珠数

わが祖母の母は我が知らぬ人なれども、
すべてに華奢《きやしや》を好みしとよ。
水晶の珠数《じゆず》にも倦《あ》き、珊瑚《さんご》の珠数《じゆず》にも倦《あ》き、
この青玉《せいぎよく》の珠数《じゆず》を爪繰《つまぐ》りしとよ。
我はこの青玉《せいぎよく》の珠数《じゆず》を解きほぐして、
貧しさに与ふべき玩具《おもちや》なきまま、
一つ一つ我が子等《こら》の手にぞ置くなる。


    我歌

わが歌の短ければ、
言葉を省くと人思へり。
わが歌に省くべきもの無し、
また何《なに》を附《つ》け足さん。
わが心は魚《うを》ならねば鰓《えら》を持たず、
唯《た》だ一息にこそ歌ふなれ。


    すいつちよ

すいつちよよ、すいつちよよ、
初秋《はつあき》の小《ち》さき篳篥《ひちりき》を吹くすいつちよよ、
その声に青き蚊帳
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