踊《をどり》、
身をば斜めに
袂《たもと》をかざし、
振れば逆《さか》らふ風《かぜ》も無い、
派手に優しい女の踊《をどり》。

踊《をどり》、
踊《をどり》、
鍬《くは》を執《と》る振《ふり》、
糸引く姿、
そして世の中いつまでも
円《まる》く輪を描《か》く子供の踊《をどり》。


    砂の上

「働く外《ほか》は無いよ、」
「こんなに働いてゐるよ、僕達は、」
威勢のいい声が
頻《しき》りに聞《きこ》える。
わたしは其《その》声を目当《めあて》に近寄つた。
薄暗い砂の上に寝そべつて、
煙草《たばこ》の煙を吹きながら、
五六人の男が[#「男が」は底本では「男か」]
おなじやうなことを言つてゐる。

わたしもしよざいが無いので、
「まつたくですね」と声を掛けた。
すると、学生らしい一人《ひとり》が
「君は感心な働き者だ、
女で居ながら、」
斯《か》うわたしに言つた。
わたしはまだ働いたことも無いが、
褒《ほ》められた嬉《うれ》しさに
「お仲間よ」と言ひ返した。

けれども、目を挙げると、
その人達の塊《かたまり》の向うに、
夜《よる》の色を一層濃くして、
まつ黒黒《くろぐろ》と

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