た時の思ひ違ひで、私の小さい時に初めて知つた優しい美くしい少女は加賀田《かがた》おみきさんの外《ほか》にはありません。二人は何時《いつ》頃から一所《いつしよ》の組になつたのでせう、それはもう余程小さい頃のことで、何年級制にならない何級制だつた頃のことかと思ひます。其《その》時分の私は外《ほか》にお友達があることは全《まる》で知らないやうに、学校の遊び時間には加賀田さんとばかり遊んで居ました。
加賀田さんの家《うち》は堺《さかひ》の最も旧《ふる》い家でした。山太郎《やまたらう》とその家のことを呼んで居ました。 余りに勧められまして、私は或時初めての友人訪問に加賀田さんの家《うち》へ行きました。玄関へ加賀田さんが出て来て、上れと云はれて憶《おく》し心を隠して其《その》人に随《つ》いて行きますと、幾室かを通つてそれから出た所は明るい庭の前でした。その縁側は一|間《けん》以上もある幅で、そして何処《どこ》まで行けばしまひになるのか一寸《ちよつと》解《わか》らないやうに思はれるほど長く続いて居るのです。築山《つきやま》も池も花の植つた所も子供の目には見渡し切れなく思はれました。自分などの家と此
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