のだとよく二人で云ひ会つて居ましまたが、おさやんは町の裁縫師匠の処へ縫物子《ぬひものこ》になつて行くことになりましたから二人は終《しま》ひまで一所の学校へは通へませんでした。それからも月のうちに一度二度は逢つて居ましたがだんだん昔のやうに心から笑ひ会つたり泣き会つたりすることが出来なくなつて来ました。それは二人の考へが余程離れたものになつて居たからです。そのうちおさやんの家が蔵を壊して其処《そこ》で緞通《だんつう》を織り初めたと云ふことを出入の人などが噂しました。
「お気の毒なことだす。龍源さんでは嬢さんも職工と一所に緞通を織つておいでになります。お悧好《りかう》な方《かた》だすよつてもう機持《はたも》ちにおなりになつて、一本おきの二本などと大きい声で云つておいでになるのが聞えます。嬢はんはさうして朝から晩まで働いておいでになります。」
私はこれを聞いて悲しがりました。逢つた時に慰めようと思つて居ましたが、私の家《うち》へ来てはゆめにもそんなことをして居るとおさやんは云はないのですから、私の方から云ひ出すことも出来ませんでした。そして芝居の噂などばかりをおさやんはしました。私はおさや
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