、第4水準2−88−74]《うそ》を見つけることである。いや、必ずしもそればかりではない。その又※[#「言+墟のつくり」、第4水準2−88−74]を見つけることに少しも満足を感じないことである。
外見
由来最大の臆病者《おくびょうもの》ほど最大の勇者に見えるものはない。
人間的な
我我人間の特色は神の決して犯さない過失を犯すと云うことである。
罰
罰せられぬことほど苦しい罰はない。それも決して罰せられぬと神々でも保証すれば別問題である。
罪
道徳的並びに法律的範囲に於ける冒険的行為、――罪は畢竟こう云うことである。従って又どう云う罪も伝奇的色彩を帯びないことはない。
わたし
わたしは良心を持っていない。わたしの持っているのは神経ばかりである。
又
わたしは度たび他人のことを「死ねば善い」と思ったものである。しかもその又他人の中には肉親さえ交っていなかったことはない。
又
わたしは度たびこう思った。――「俺があの女に惚《ほ》れた時にあの女も俺に惚れた通り、俺があの女を嫌いになった時にはあの女も俺を嫌いにな
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