を弁護するのは困難である。疑うものは弁護士を見よ。
女人
健全なる理性は命令している。――「爾《なんじ》、女人を近づくる勿《なか》れ。」
しかし健全なる本能は全然反対に命令している。――「爾、女人を避くる勿れ。」
又
女人は我我男子には正に人生そのものである。即ち諸悪の根源である。
理性
わたしはヴォルテェルを軽蔑《けいべつ》している。若し理性に終始するとすれば、我我は我我の存在に満腔《まんこう》の呪咀《じゅそ》を加えなければならぬ。しかし世界の賞讃《しょうさん》に酔った Candide の作者の幸福さは!
自然
我我の自然を愛する所以《ゆえん》は、――少くともその所以の一つは自然は我我人間のように妬《ねた》んだり欺いたりしないからである。
処世術
最も賢い処世術は社会的因襲を軽蔑しながら、しかも社会的因襲と矛盾せぬ生活をすることである。
女人崇拝
「永遠に女性なるもの」を崇拝したゲエテは確かに仕合せものの一人だった。が、Yahoo の牝《めす》を軽蔑したスウィフトは狂死せずにはいなかったのである。これは女性の呪《
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