ャ説のみ読みたい人は In the Midst of Life 及び Can Such Things Be ? の二巻に就《つ》くが好《よ》い。私はこの二巻の中《うち》に、特に前者を推したいのである。後者には佳作は一二しか見えぬ。(五)彼の評伝は一冊もない。オウ・ヘンリイ等《ら》に比べると、此処《ここ》でも彼は薄倖《はくかう》である。彼の事を多少知りたい人は、ケムブリツヂ版の History of American Literature 第二版の三八六―七頁、或は Cooper 著 Some American Story Tellers のビイアス論を見るが好《よ》い。前に書くのを忘れたが、年代は一八三八―一九一四? である。日本訳は一つも見えない。紹介もこれが最初であらう。(二月二日)
むし
私《わたし》は「龍」と云ふ小説を書いた時、「虫の垂衣《たれぎぬ》をした女が一人《ひとり》、建札《たてふだ》の前に立つてゐる」と書いた。その後《のち》或人の注意によると、虫の垂衣《たれぎぬ》が行はれたのは、鎌倉時代以後ださうである。その証拠には源氏の初瀬詣《はつせまうで》の条《くだ
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