て、矢のようにかけ出しました。
はてしもなく遠い、長い長いつめたい道でしたけれど、オウムは、とうとう、まよいもしないで、サンタクローズのお家につきました。そのおうちの、ふわふわした白い毛皮の屋根の上に、赤い、きれいな煙突が、にょきりと立っていました。
「おはいんなさい。」と、窓にまたたいている灯《あかり》が言いました。「おへやの中はあったかよ。」
オウムはへとへとにつかれきっていました。でも、夜《よ》があけないうちに……よし子さんが目をさまさないうちに、帰らなければならないので、ちっとでもぐずぐずしてはいられません。
「おうちのコウノトリさんは、どこにおいでです。おじいさんのお使いで、くびかざりをいただきにまいりました。」と言いました。
「ああ、くびかざりッて、これでしょう。」と、屋根のてっぺんから声がして、おじいさんに可愛《かわい》がられている、コウノトリが、くびにきらきらした、金のくさりをさげて、出て来ました。
「さあ、もっていらッしゃい。おじいさんがわすれていったのですよ。」と、コウノトリはにこにこして、くさりをはずして、オウムの、くびにかけてくれました。
オウムは、大よろ
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