こびで、おじぎをして、
「さようなら。灯《あかり》さんにもさようなら。」と言って、どんどんかけてかえりました。
「よし子さんは、まだお目ざめじゃアないでしょうね。」と、オウムは、おうちへかえるなり、いきをはずませてききました。
「ああまだだよ。もらって来た?」と、イヌとネコが、目をひからせてききました。
「ごらんなさいよ。」と、オウムは、くびのくさりを見せました。
「ほう、えらいえらい。」
「ああ、よかった。」と、イヌとネコは、かわりがわり言いました。
「僕なんか、もうオウムさんのまえではいばれないよ。」と、イヌは、さっき、オウムをばかにしたのを、あやまるように言いました。オウムは、にこにこ笑いながら、よし子さんの枕《まくら》もとへ、くびかざりを、そっと、おいときました。
 イヌや、ネコや、あるき人形や白熊へのおくりものは、おじいさんがちゃんとそろえて、よし子さんのおねだいの下へおいていったのです。
「さあ、もう、お目ざのおうたをうたってもいい時間ね。」と、オウムは、そう言って、うつくしい声で、夜中につくったあたらしい、朝のおうたをうたいました。
 ひとりでに、流れて出て来る、あかるい
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