金のくびかざり
小野浩
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)家《うち》の中の
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)しっぽ[#「しっぽ」に傍点]
−−
一
よし子さんのお家も、あすは、クリスマスです。
毛なみの、つやつやした、まっ黒いネコは、夜どおし、煙突のてっぺんにすわって、サンタクローズのおじいさんが、このお家をまちがいなく見つけてくれればいいがと、黄色い目をひからせて、見つめていました。よし子さんは今夜は、きっと、おじいさんが、あたしのほしくてほしくてたまらない、小さな金のくびかざりを持って来てくれるにちがいないと言って、おねんねをしました。
イヌは、家《うち》の中の煙突の下を、ふさふさしたしっぽ[#「しっぽ」に傍点]で、きれいにお掃除をしました。せっかくサンタおじいさんが、金のくびかざりをもって煙突から下りて来ても、そこがあまりきれいでなくては、いやな気持になって帰ってしまうかもしれないからです。
「オウムさん、あなたはこのクリスマスに、よし子さんには何をして上げるの。」
と、イヌは、籠《かご》の中の
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