とネコとオウムとが、一どに言いました。
「小さな金のくびかざり? おお、そうだった。昨夜《ゆうべ》ちゃんと、つくって……それから、どうしたっけな。」
おじいさんは、少しあわてて、ポケットというポケット……円《まる》いポケット、四角なポケット、上のポケット、下のポケットを……さがしまわしました。でも、くびかざりはどこにも見つかりません。
「おやおや、どうしたんだろう。もって来ないはずはないのだが……はてなはてな。」
おじいさんは、しきりに首をひねりました。
イヌとネコは心配して顔を見合せました。自分たちのもらうものはどうでもいいけれど、だいじなお嬢さまが、あれほどほしがっていらっしゃる、くびかざりですから、どうしてもさがし出してもらわなければなりません。
おじいさんは帽子もとって見ました。靴もぬいで見ました。しかし、どこにもありません。ネコやイヌやオウムは、それこそ、がっかりしてしまいました。
と、ふいに、「おお、そうだ。」と、おじいさんは、むねをたたきました。「思い出したよ。あれはわしの家《うち》のコウノトリのくびにかけてある。かけたまま忘れて出て来たんだよ。」
イヌとネコ
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