とネコとオウムとが、一どに言いました。
「小さな金のくびかざり? おお、そうだった。昨夜《ゆうべ》ちゃんと、つくって……それから、どうしたっけな。」
 おじいさんは、少しあわてて、ポケットというポケット……円《まる》いポケット、四角なポケット、上のポケット、下のポケットを……さがしまわしました。でも、くびかざりはどこにも見つかりません。
「おやおや、どうしたんだろう。もって来ないはずはないのだが……はてなはてな。」
 おじいさんは、しきりに首をひねりました。
 イヌとネコは心配して顔を見合せました。自分たちのもらうものはどうでもいいけれど、だいじなお嬢さまが、あれほどほしがっていらっしゃる、くびかざりですから、どうしてもさがし出してもらわなければなりません。
 おじいさんは帽子もとって見ました。靴もぬいで見ました。しかし、どこにもありません。ネコやイヌやオウムは、それこそ、がっかりしてしまいました。
 と、ふいに、「おお、そうだ。」と、おじいさんは、むねをたたきました。「思い出したよ。あれはわしの家《うち》のコウノトリのくびにかけてある。かけたまま忘れて出て来たんだよ。」
 イヌとネコ
前へ 次へ
全8ページ中4ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
小野 浩 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング