かと思ってかけよってきて、びっくりして声をたてながら七つのランプを持ってきて白雪姫をてらしました。
「おやおやおやおや、なんて、この子は、きれいなんだろう。」と、小人《こびと》はさけびました。それから小人たちは、大よろこびで、白雪姫《しらゆきひめ》をおこさないで、寝《ね》どこの中に、そのままソッとねさせておきました。そして、七ばんめの小人は、一時間ずつほかの小人の寝どこにねるようにして、その夜をあかしました。
 朝になって、白雪姫は目をさまして、七人の小人を見て、おどろきました。けれども、小人たちは、たいへんしんせつにしてくれて、「おまえさんの名まえはなんというのかな。」とたずねました。すると、
「わたしの名まえは、白雪姫というのです。」と、お姫さまは答えました。
「おまえさんは、どうして、わたしたちの家《うち》にはいってきたのかね。」と、小人たちはききました。そこで、お姫さまは、まま母が、じぶんをころそうとしたのを、かりうどが、そっと助けてくれたので、一日じゅう、かけずりまわって、やっと、この家を見つけたことを、小人たちに話しました。その話をきいて、小人たちは、
「もしも、おまえさんが、わしたちの家の中のしごとをちゃんと引きうけて、にたきもすれば、おとこものべるし、せんたくも、ぬいものも、あみものも、きちんときれいにする気があれば、わしたちは、おまえさんを家《うち》においてあげて、なんにもふそくのないようにしてあげるんだが。」といいました。
「どうぞ、おねがいします。」と、お姫さまはたのみました。それからは、白雪姫《しらゆきひめ》は、小人《こびと》の家にいることになりました。
 白雪姫は、小人の家のしごとを、きちんとやります。小人の方では毎朝、山にはいりこんで、金や銀《ぎん》のはいった石をさがし、夜になると、家にかえってくるのでした。そのときまでに、ごはんのしたくをしておかねばなりませんでした。ですから、ひるまは白雪姫は、たったひとりでるすをしなければなりませんので、しんせつな小人たちは、こんなことをいいました。
「おまえさんのまま母さんに用心なさいよ。おまえさんが、ここにいることを、すぐ知るにちがいない。だから、だれも、この家の中にいれてはいけないよ。」
 こんなことはすこしも知らない女王さまは、かりうどが白雪姫をころしてしまったものだと思って、じぶんが、また第一のうつくしい女になったと安心していましたので、あるとき鏡《かがみ》の前にいって、いいました。
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「鏡や、鏡、壁《かべ》にかかっている鏡よ。
 国じゅうで、だれがいちばんうつくしいか、いっておくれ。」
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 すると、鏡が答えました。
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「女王《じょおう》さま、ここでは、あなたがいちばんうつくしい。
 けれども、いくつも山こした、
 七人の小人の家にいる白雪姫《しらゆきひめ》は、
 まだ千ばいもうつくしい。」
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 これをきいたときの、女王さまのおどろきようといったらありませんでした。この鏡は、けっしてまちがったことをいわない、ということを知っていましたので、かりうどが、じぶんをだましたということも、白雪姫が、まだ生きているということも、みんなわかってしまいました。そこで、どうにかして、白雪姫をころしてしまいたいものだと思いまして、またあたらしく、いろいろと考えはじめました。女王さまは、国じゅうでじぶんがいちばんうつくしい女にならないうちは、ねたましくて、どうしても、安心していられないからでありました。
 そこで、女王さまは、おしまいになにか一つの計略《けいりゃく》を考えだしました。そしてじぶんの顔を黒くぬって、年よりの小間物屋《こまものや》のような着物《きもの》をきて、だれにも女王さまとは思えないようになってしまいました。こんなふうをして、七つの山をこえて、七人の小人《こびと》の家にいって、戸をトントンとたたいて、いいました。
「よい品物《しなもの》がありますが、お買いになりませんか。」
 白雪姫はなにかと思って、窓《まど》から首をだしてよびました。
「こんにちは、おかみさん、なにがあるの。」
「上等《じょうとう》な品で、きれいな品を持ってきました。いろいろかわったしめひもがあります。」といって、いろいろな色の絹糸《きぬいと》であんだひもを、一つ取りだしました。白雪姫は、
「この正直《しょうじき》そうなおかみさんなら、家の中にいれてもかまわないだろう。」と思いまして、戸をあけて、きれいなしめひもを買いとりました。
「おじょうさんには、よくにあうことでしょう。さあ、わたしがひとつよくむすんであげましょう。」と、年よりの小間物屋《こまものや》はいいました。
 白雪姫は、すこしもうたが
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