二組《ふたくみ》に別れて、雪合戦《ゆきがっせん》をするように納豆合戦をしました。キャッキャッ言いながら、納豆を敵に投げました。そして面白い戦ごっこをしました。
あくる朝、又私達は、学校へ行く道で、納豆売のお婆さんに逢いました。すると、吉公は、
「おい、誰か一銭持っていないか。」と言いました。私は、昨日《きのう》の納豆合戦の面白かったことを、思い出しました。私は、早速《さっそく》持っていた一銭を、吉公に渡しました。吉公は、昨日と同じようにして、一銭で二銭の納豆を騙《だま》して取りました。その日も、学校で面白い納豆合戦をやりました。
二
その翌日です。私達は、又学校へ行く道で、納豆売のお婆さんに逢《あ》いました。その日は、吉公《きちこう》ばかりでありません。私もつい面白くなって、一銭で二銭の苞《つと》を騙《だま》して取りました。すると、外《ほか》の友達も、
「俺《おれ》にも、一銭のをおくれ。」と、言いながら、みんな二銭の苞を、騙して取りました。お婆さんが、
「はい、有難うございます。」と、言っているうちに、お婆さんの手の中の二銭の苞は、見る間《ま》に二つ三つになって
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