係している酒場に勤めているなんて、本当は、前川さんが貴女のために作ってくれたお店だっていうじゃないの?」
「………」新子はびっくりして姉の顔を見上げた。
「かくされると、いい気持はしないわよ。」
「何を云っているの。美和子のような子供に、何が分るもんですか。」
「あの子は、あれで子供じゃないわよ、そんなことにかけちゃ私達より、ずーっとカンがいいんですもの。私、美和子の云ったことを信ずるわ。」
「だって……あの店、誰のものだか私知らないわ。ただ、前川さんが、経営しろとおっしゃるから私引き受けているだけよ。私、勤めているつもりだわ。」
「だって、貴女のお部屋はあるし、電話はあるし、立派なものだと云うじゃないの。私、小池さんなんかを連れて行ってもいい?」
「どうぞ。いらしって頂戴! 歓待するわ。」新子も、騎虎《きこ》の勢い、やや棄鉢《すてばち》気味にいった。
「今度の公演のポスターが、昨日《きのう》出来たからお店にかけておいて頂戴よ。それから、お客さんに切符売れないかしら。ねえ、三十枚くらい売ってくれない。」圭子は、薄情そうな顔付で、そう云った。
「ええ。」新子は、憮然たる表情で、味気ない返
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