、新子もきっと、面目なく思うだろうと、思いますの。私が代ってお詫び致しますわ。」と、圭子は、もう一度頭を下げた。

        六

 新子が軽井沢にいた項から、もうそんな金を前川が与えていたなど、駭《おどろ》くに足る新事実であったので、綾子夫人は、急に緊張しながら、
「おや、そんなこともございましたの? 主人は、無口な方ですから、私に何にも申しません。だから、ちっとも存じませんでしたわ。ですから、お電話だけじゃ、よく呑み込めないんで、お呼びしましたのよ。私も、新劇はとても好きでございますの……」
「まあ、うれしい!」
「もと、新興座が分裂しない前に、後援者達で作った火曜会というのが、ございましたでしょう。私、あれに、はいっておりましたの。だから新興座の公演は、替り目ごとに、見に参ったものですわ。」
「まあ。左様でございますか。じゃ、ぜひ私達の劇団も、後援して下さいませんでしょうか。まだ、学生が多くて、未完成でございますけれど……」
「いいえ。その方が、かえって熱があって、いいですわ。貴女なんか、ご器量はよし、舞台にお立ちになったら、見事でしょう。」と、おだてると、
「いいえ。でも
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