は張り裂けるやうです。美奈さん! 許して下さい。どうぞ、妾《わたし》の罪を許して下さい!」
 瑠璃子は苛責に堪へないやうに、面《おもて》を伏せて終つた。
「まあ! お母様、何を仰しやるのです。許して呉れなんて、妾《わたし》、何も……」
 美奈子は、烈しい恥しさに堪へながら、母を慰めようとした。
「こんなことは、許しを願へるやうなものではないかも知れません。本当に、許しがたいことです。『|許し難いこと《イントレランス》』です。貴女《あなた》が許して下さつても、妾《わたし》の心は何時までも、何時までも苦しむのです。妾《わたし》が、世の中で一番愛してゐる貴女に、恐ろしい不幸を浴びせてゐようとは恐ろしいことです。恐ろしいことです。」
 冷静な母の態度も、心の烈しい其の苛責の為めに、だん/\乱れて行つた。
 美奈子は、最初自分の心を母からマザ/\と指摘された恥しさで、動乱してゐたが、それが静まるに連れて、母の自分に対する愛、誠意にだん/\動かされ初めた。

        八

「妾《わたし》が、男性に対する意地と反感とでしたことが、男性を傷《きずつ》けないで、却つて女性、しかも妾《わたし》には
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