さが、美奈子にさへ感ぜられた。瑠璃子の言葉を聴くと、青年は、可なり激してしまつた。烈しい熱情が、彼の言葉を、顫はした。
「お解りになりませんか。お解りにならないと云ふのですか。僕の心持、僕の貴女に対する心持が、僕が貴女をこんなに慕つてゐる心持が。」
 青年は、もどかしげに、叫ぶやうに云ふのだつた。陰で聞いてゐる美奈子は、胸を発矢《はつし》と打たれたやうに思つた。青年の本当の心持ちが、自分が心|私《ひそ》かに思つてゐた青年の心が、母の方へ向つてゐることを知ると、彼女は死刑囚が、その最後の判決を聴いた時のやうに、身体も心も、ブル/\顫へるのを、抑へることが出来なかつた。が、母が青年の言葉に何と答へるかが、彼女には、もつと大事なことだつた。彼女は、砕かれた胸を抑へて、母が何と云ひ出すかを、一心に耳を澄せてゐた。
 が、母は容易に返事をしなかつた。母が、返事をしない内に、青年の方が急《せ》き立つてしまつた。
「お解りになりませんか。僕の心持が、お解りにならない筈はないと思ふのですが、僕がどんなに貴女を思つてゐるか。貴女のためには、何物をも犠牲にしようと思つてゐる僕の心持を。」
 青年は、必死に
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