、弄んでゐたのに過ぎないのです。俺《わし》は女などと云ふものは、酒や煙草などと同じに、我々男子の事業の疲れを慰めるために存在して居る者に過ぎないとまで高を括《くゝ》つてゐたのです。所がです、俺《わし》のさうした考へは貴女に会つた瞬間に、見事に打ち破られてゐたのです。男子の為に作られた女でなくして、女自身のために作られた女、俺《わし》は貴女に接してゐると、直ぐさう云ふ感じが頭に浮かんだのです。男の玩具として作られた女ではなくして、男を支配するために作られた女、俺《わし》は貴女を、さう思つてゐるのです。それと一緒に、今まで女に対して懐いてゐた侮蔑や軽視は、貴女に対してはだん/\無くなつて行くのです。その反対に、一種の尊敬、まあさう云つた感じが、だん/\胸の中に萌して来たのです。結婚した当座は、何の此の小娘が、俺を嫌ふなら嫌つて見ろ! 今に、征服してやるから。と、かう思つてゐたのです。所が、今では貴女の前でなら、どんなに頭を下げても、いいと思ひ出したのです。貴女の愛情を、得るためになら、どんなに頭を下げても、いゝと思ひ始めたのです。何うです、瑠璃子さん! 俺《わし》の心が少しはお分りになりま
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