り響いた。
「さあ! お酒の用意をして下さらんか。かうした晩は、お酒でも飲んで、大に暴風雨と戦はなければならん、はゝゝゝ。」
勝平は、暴風雨の音に、怯えたやうに耳を聳てゝゐる瑠璃子にさう云つた。
酒盃の用意は、整つた。勝平は吹き荒ぶ暴風雨の音に、耳を傾けながら、チビリ/\と盃を重ねてゐた。
「妾《わたくし》、本当に早く帰つて下さればいゝと思つてゐましたのよ。男手がないと何となく心細くつてよ。」
「はゝゝ、瑠璃子さんが、俺《わし》を心から待つたのは今宵が始めてだらうな、はゝゝゝゝ。」
勝平は機嫌よく哄笑した。
「まあ! あんなことを、毎日心からお待ちしてゐるぢやありませんか。」
瑠璃子は、ついさうした心易い言葉を出すやうな心持ちになつてゐた。
「何《ど》うだか。分りやしませんよ。老爺《おやぢ》め、なるべく遅く帰つて来ればいゝのに。かう思つてゐるのぢやありませんか。はゝゝゝゝ。」
瑠璃子の今宵に限つて、温かい態度に、勝平は心から悦に入つてゐるのだつた。
「それも、無理はありません。貴女が内心|俺《わし》を嫌つてゐるのも、全く無理はありません。当然です、当然です。俺も嫌がる貴女《あ
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