お祈り下さい。
[#ここで字下げ終わり]

 手紙は、尚続いた。

        四

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 妾《わたくし》は、勝利を確信してゐます。が、それは実質の勝利で、形から云へば、妾《わたくし》は金のために荘田に購はれる女奴隷と、等しいものかも知れません。妾《わたくし》が、自分の操を清浄に保ちながら、荘田を倒し得ても、社会的には妾《わたくし》は、荘田の妻です。何人《なんぴと》が妾《わたくし》の心も身体も処女であることを信じて呉れるでせう。妾《わたくし》は貴君《あなた》丈には、それを信じて戴きたいと思ひます。が、妾《わたくし》にはそれを強ひる権利はありません。
 男性化《マンリファン》と言ふ言葉があります。妾《わたくし》の現在はそれです。妾《わたくし》は女性としての恋を捨て、優しさを捨て慎しやかさを捨てゝ、たゞ復讐と膺懲のために、狂奔する化物のやうな人間にならうとしてゐるのです。顧みると、自分ながら、浅ましく思はずにはゐられません。が、悪魔を倒すのには、悪魔のやうな心と謀計とが必要です。
 貴君を愛し、また貴君から愛されてゐた無垢な少女は、残酷な運命の悪戯から、凡ての女性ら
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