て、その日に焼けて赤銅《しゃくどう》のように光っている頬を、大粒の涙がほろほろと流れ落ちた。二人は涙のうちに、しばらくは言葉がなかった。
「あなあさましや。などかくは変らせたまうぞ。法勝寺《ほうしょうじ》の執行《しぎょう》として時めきたまいし君の、かくも変らせたまうものか」
 有王は、そう叫びながら、さめざめと泣き伏した。が、最初|邂逅《かいこう》の涙は一緒に流したが、しかしその次の詠嘆には、俊寛は一致しなかった。俊寛は逞しい腕を組みながら、泣き沈む有王の姿を不思議そうに見ていた。
 彼は、有王が泣き止むのを待って、有王の右の手を掴《つか》んで、妻を麾《さしまね》くと、有王をぐんぐん引張りながら、自分の小屋へ連れて帰った。有王は、その小屋で、主《しゅ》に生き写しの二人の男の子と三人の女の子を見た。俊寛は、長男の頭を擦《さす》りながら、これが徳寿丸《とくじゅまる》であるといって、有王に引き合せた。その顔には、父らしい嬉しさが、隠し切れない微笑となって浮んだ。
 が、有王はすべてをあさましいと考えた。村上天皇の第七子|具平親王《ともひらしんのう》六|世皇孫《せいのこうそん》である俊寛が、南
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