にち》は。御子様《おこさま》はどうかね。」
 そう言《い》いながら年《とし》とった家鴨《あひる》がやって来《き》ました。
「今《いま》ねえ、あと一《ひと》つの卵《たまご》がまだかえらないんですよ。」
と、親家鴨《おやあひる》は答《こた》えました。
「でもまあ他《ほか》の子達《こたち》を見《み》てやって下さい。ずいぶんきりょう好《よ》しばかりでしょう? みんあ父親《ちちおや》そっくりじゃありませんか。不親切《ふしんせつ》で、ちっとも私達《あたしたち》を見《み》に帰《かえ》って来《こ》ない父親《ちちおや》ですがね。」
 するとおばあさん家鴨《あひる》が、
「どれ私《わたし》にその割《わ》れない卵《たまご》を見《み》せて御覧《ごらん》。きっとそりゃ七|面鳥《めんちょう》の卵《たまご》だよ。私《わたし》もいつか頼《たの》まれてそんなのをかえした事《こと》があるけど、出《で》て来《き》た子達《こたち》はみんな、どんなに気《き》を揉《も》んで直《なお》そうとしても、どうしても水《みず》を恐《こわ》がって仕方《しかた》がなかった。私《あたし》あ、うんとガアガア言《い》ってやったけど、からっきし駄目《
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