醜い家鴨の子
DEN GRIMME AELING
ハンス・クリスチャン・アンデルゼン Hans Christian Andersen
菊池寛訳

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)田舎《いなか》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)一|羽《わ》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)百姓家《ひゃくしょうや》が[#「百姓家が」は底本では「百性家が」]
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 それは田舎《いなか》の夏《なつ》のいいお天気《てんき》の日《ひ》の事《こと》でした。もう黄金色《こがねいろ》になった小麦《こむぎ》や、まだ青《あお》い燕麦《からすむぎ》や、牧場《ぼくじょう》に積《つ》み上《あ》げられた乾草堆《ほしくさづみ》など、みんなきれいな眺《なが》めに見《み》える日《ひ》でした。こうのとりは長《なが》い赤《あか》い脚《あし》で歩《ある》きまわりながら、母親《ははおや》から教《おそ》わった妙《みょう》な言葉《ことば》でお喋《しゃべ》りをしていました。
 麦畑《むぎばたけ》と牧場《ぼくじょう》とは大《おお》きな森《もり》に囲《かこ》まれ、その真《
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