ました。「実は君の留守中、寂しくてたまらないところへ、ラム・ダスが来て、不幸なあの子の話をしてくれたのさ。で、ラム・ダスと共力《きょうりょく》して、あの子を助ける工夫をしたのだよ。子供だましのようなことだけれど、そんなことでもないと、私はつまらなかったのだ。だが、ラム・ダスのあの軽い足がなかったら、あんな噺《はなし》のような計画は実現出来なかったろうよ。」
そこへ、セエラが入って来ました。猿は、出来ればいつまでもセエラのそばを離れたくなさそうな顔をしていました。
「また、あなたのお猿が逃げて来ましたのよ。」とセエラは頬を紅らめ、さわやかな声でいいました。「昨晩《ゆうべ》、私の部屋の窓の所に来ましたので、寒いといけないと思って、入れてあげましたの。宵の口だと、すぐお返しに上るのでしたけど、あまり遅いのでやめました。あなたは御病気ですから、せっかくお休みになってるところを、お起しでもすることになると悪いと、思いまして。」
印度紳士のうつろな眼は、セエラの方に惹かれて行きました。
「それはどうも。よく気が付いて下すったねえ。」
セエラは、戸口の近くに立っているラム・ダスの方を向きました
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