めるとすると、隣より近いところはないわけですからな。」
「その通りだ。それに隣には一人私の眼をつけている娘がある。だが、その子は生徒じゃアないんだ。ちょっと色の黒い孤児《みなしご》で、とても、クルウ大尉の子供とは思われないけれど。」
ちょうどその時、あの魔法が――あの手際のいい魔法が、また働き出したのでしょう。ちょうど印度の紳士がそういった時、ふとラム・ダスが入って来て、主人に額手礼《サラアム》をしました。黒い眼には隠しきれない昂奮の色を湛えていました。
「旦那様、あの子が自分でやってまいりました、あの旦那様が、可哀そうだと仰しゃった娘が。屋根づたいにあの娘の部屋に来たといって、猿を伴れてまいりました。ちょっと待っているように申しておきましたが、会ってお話になったら、少しはおまぎれになりはしませんでしょうか。」
「あの子とは?」と、大屋敷の父が訊ねました。
「それあの子さ、今噂をしていた娘のことさ。学校の小使をしているんだ。」印度の紳士はそういうと、今度はラム・ダスの方に手を振っていいました。「よろしい、その子に会ってみたいから、伴れて来なさい。」そしてまた、カアマイクル氏の方にいい
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