望の色を湛えていました。病人の待ちかねた眼付を見ると、氏はよけい気づかわしげになりました。
「どうだった?」と、カリスフォド氏が訊ねました。「ロシヤ人がひきとったというその子は、どうだった?」
「その子は、我々の探している娘じゃアなかったのです。クルウ大尉の娘よりは、ずっと年下でしてね。名前はエミリイ・クルウなのです。私はその子と会って話して来ました。ロシヤ人の家族は、委細を聞かしてくれましたよ。」
 印度の紳士の失望といったらありませんでした。紳士は今まで握っていたカアマイクル氏の手を離して、だらりと自分の手を落しました。
「それじゃア、また捜索をやりかえさなければならないんだな。じゃア、やりなおすまでのことだ。まア、そこに掛けたまえ。」
 カアマイクル氏は腰を下しました。彼は自分が健康で幸福《しあわせ》なせいか、この不幸な病人が、気の毒で、だんだん好きになって来るのでした。この家《うち》の中に一人でも子供がいたら、少しは寂しさもまぎれるだろうに。こうして一人の男が、一人の子供を不幸にしているという思いのため、絶え間なく悶えているとは――大屋敷の主人は、病人に元気をつけるようにいいま
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