。「おや、メルチセデクがいるのね。可哀そうに、きっと御飯をもらいに出て来たのだわ。でも、今夜は一|片《かけ》も残っていないのよ。帰ったらおかみさんに、私のポケットには何にもなかったといっておくれ。あんまり皆に辛くあたられたので、お前のことは忘れてしまって、悪かったわね。」
 メルチセデクは、どうやら合点がいったようでした。彼は、満足そうではありませんでしたが、諦めたように、脚ずりをして帰って行きました。
「アアミイ、今夜会えようとは思わなかってよ。」と、セエラはいいました。
「アメリアさんは、伯母さんの所へ泊りにいらしったのよ。だから、いようと思えば、明日の朝までだっていられるわけよ。」
 アアミンガアドは、天窓の下のテエブルを指さしました。その上には、幾冊かの本が積んでありました。彼女はがっかりしたように、
「お父様がまた本を送って下すったの。」といいました。セエラはたちまちテエブルに走りより、一番上の一巻を取ると、手早くページをめくり出しました。もう一日の辛さなどは、すっかり忘れていました。
「何て綺麗な本でしょう。カアライルの『フランス革命史』ね。私、これをよみたくてたまらなかっ
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