。お前のために温かにして、とっといてやるとでも思っていたのかい?」
「私、お午飯《ひる》もいただきませんでしたの。」
「戸棚の中にパンがあるよ。」
 セエラは古いパンだけを食べて、長い梯子段を登って行きました。いつまでたっても登りきれぬ気のするほど、セエラは疲れていました。セエラは少し登っては休み休みしました。やっと登りきろうとすると、屋根裏部屋の戸の下から、あかりが洩れているので、うれしくなりました。またアアミンガアドが来ているのでしょう。セエラはまるまるとしたアアミンガアドが赤いショオルにくるまっているのを見るだけでも、侘《わび》しい部屋が少し温まるようでうれしかったのでした。
 アアミンガアドはセエラを見ると、寝台の上からいいました。
「セエラさん、帰って来て下すってよかったわ。メルチセデクが、いくら逐っても、私のそばへやって来て、鼻をくんくんさせるのですもの、私怖かったわ。メルチイは飛びつきゃしないこと。」
「いいえ。」と、セエラは答えました。
「セエラさん、あなた大変疲れてるようね。顔色が大変悪いわ。」
「とても疲れちゃったわ。」セエラは跛《びっこ》の足台にぐたりと坐りました
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