イが口をきき出しはしまいかと思われるのでした。が、エミリイは何を訊ねられても、返事だけはしませんでした。
「返事といえば、私だってよく返事をしないことがあるわ。恥《はずか》しい目にあった時などは、黙って皆を見返して考えていると、一番いいのよ。怒《いかり》くらい強いものはないけど、怒をじっと我慢しているのはなお偉いわ。だから、苛める人達には返事をしないに限るわ。殊によるとエミリイは、私自身が私に似ているよりよけいに、私に似ているのかもしれないわ。エミリイは味方にさえも返事なんかしない方がいいと思っているのかもしれないわ、何もかも自分の胸一つに包んで。」
そう思いはしましたが、あまり酷い目にあったり、恥しい目にあったりすると、ただ棒のように立っているきりのエミリイを、生きてるものと想って、自分を慰めるのも、莫迦らしくなって来ることがありました。
ある寒い晩のことでした。セエラは空いたお腹をかかえ、煮えくりかえるような胸を抱いて、屋根裏へ帰って来ました。と、エミリイは今までにないうつろな眼をして、鋸屑《おがくず》を詰めた手足を棒のように投げ出しているのです。たった一人のエミリイまでこんな
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