とは、知るよしもありません。が、その時以来、大屋敷の人達は、セエラが大屋敷に感じているような興味を、セエラに対して持ちはじめていたのでした。セエラが通りますと、子供部屋の窓に、子供達の顔がいくつも現れました。皆はよく炉のまわりでセエラのことを話し合いました。
「あの子は、学校で小使娘みたいなことをしているらしいのよ。」と、ジャネットはいいました。「誰もめんどうを見てやるものはないようよ。きっと孤児《みなしご》なのだわ。でも、決して乞食じゃないことよ。なりは汚いけど。」
 で、それからはセエラを『乞食じゃアない小さな女の子』と呼ぶようになりました。あまり長い名なので、小さい子達が急いでいうと、ひどく滑稽に聞えました。
 セエラは、あの銀貨に工夫して穴をあけ、細いリボンの切端《きれはし》を穴に通して、首に掛けました。セエラは、大屋敷がだんだん好きになりました。好きなものは何でもますます好きになるのが、セエラの癖でした。ベッキィにしても、雀達にしても、鼠の家族にしても――エミリイに対しては、殊にそうでした。セエラは前から、エミリイには何でも解ると思っていたのでしたが、時とすると、今にもエミリ
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