うことを知ったからであります。そして、おこって自分のかみの毛を引きむしりながら、
「あいつめ、きっとランプの使い方をさとったのにちがいない。おれは、ランプをとり返す方法を考えつくまでは、いまいましくって、夜もおちおちねむることができない。」
と、どなっていたのでありました。
 それから、やがてまた、しな[#「しな」に傍点]へやって来ました。そしてアラジンの住んでいる町へ来て、すばらしい御殿を見ました。御殿があんまり美しいのと、アラジンがお金持らしいのに腹が立って、息《いき》がとまってしまうほどでした。そこで、まほう使は商人《しょうにん》にばけました。そして、たくさんの銅《どう》で作ったランプを持って、
「ええ、新しいランプを古いランプととりかえてあげます。」
 町から町へ、こう言いながら歩きました。
 この呼び声を聞いて、町の人たちは、ばかげたことだと笑いながらも、めずらしそうにまほう使のそばへたかって来ました。こんなことを言う男は、気ちがいかもしれないと思ったものですから。
 ちょうどこの時、アラジンはかり[#「かり」に傍点]に出て、るすでした。お姫さまはただ一人、大広間のまどにより
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