さんのお供をする六人のどれいと、王さまのお馬よりもっと美しい馬と、そして、一万枚の金貨を十|箇《こ》のさいふに分けて入れて持って来いと命じました。
 さて、これらのものがみんなととのってから、アラジンは着物を着かえてお城へ向いました。そして、りっぱな馬に乗って四十人のどれいを召しつれて行くみちみち、両がわに見物しているたくさんの人たちに、十箇のさいふから金貨をつかみ出しては、ばらばらとまいてやりました。見物人たちは、きゃっきゃっと言って大よろこびで、それを拾いました。しかし、その中のだれにだって、昔、町でのらくらと遊んでばかりいたなまけ者が、こんなになったとは気がつきませんでした。これはきっと、どこかの国の王子さまだろうと思っていました。
 こんなものものしいありさまで、アラジンがお城へつきますと、王さまはさっそくお出迎えになって、アラジンをおだきになりました。それから家来たちに、すぐお祝いの宴会《えんかい》と、婚礼の用意をするようにとおっしゃいました。するとアラジンは、
「陛下《へいか》、しばらくお待ちくださいまし。私はお姫さまがお住みになる御殿《ごてん》を立てますまでは、婚礼はでき
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