ることも同じようなことですね。
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間。
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伸太郎 (急に茶碗をおいて時計をみる)さあ。そろそろ行かないと……。
けい まあ、およろしいではございませんか。
伸太郎 いや、そうもしていられない。電車が四十分かかるからね。今から帰って丁度夕飯に間に合うくらいなのだ。
けい なんでしたらお夕飯を済ましていらしたら。
伸太郎 それでもいいが……しかしまだ用も残っているし。
けい ……左様でございますね。……
伸太郎 じゃ、その方のことはよろしくたのむよ。
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立上る。
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けい 承知いたしました。
伸太郎 家をたたんだり荷物を運んだり、大変だが……。(行きかけて)え? 何かいったかね。
けい は! いえ。
伸太郎 ふふ、つんぼの空耳か。
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と、いいながら、ちょっと周囲を見廻し、又行きかける。
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