楽になったと思ったら、いつの間にかうとうとと寝入ってしまった。
夜半《よなか》に咽喉《のど》が煎《い》りつくような気がして、小平太は眼を覚した。気がついてみると、自分はちゃんと蒲団の上に夜着を被《か》けて寝ていた。枕頭には古びた角行灯《かくあんどん》がとぼれて、その下の盆の上には、酔いざめの水のつもりであろう、土瓶《どびん》に湯呑まで添えておいてあった。彼はいきなり片手を伸ばして、それを引寄せようとしたが、ふと自分と床を並べて寝ているおしおの姿が眼にとまった。
「そうだ、俺はおしおの家に寝ているのだ!」
彼はぎょっとしたようにその手を引っこませた。それにしても、もう何時《なんどき》だろう? 晩《おそ》くなるとは言ってきたが、今夜自分が帰らないのを見たら、俺まで庄左衛門の二の舞いをしたものと極めて、横川がまたいつものように腹を立てていはせぬか。まあ、それは言い解《と》く術《すべ》もあろうし、明日の朝早く顔を見せさえすれば、それですむ。すまぬは宵《よい》におしおから聞いた話だ。もしあの話が真実《ほんとう》だとすれば、俺はどうしたらいいか。肚《はら》の子に惹《ひ》かれて、このままここに居
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