てくれるでしょうし、あたし達もまあ、ちっとでも何とかしてやりたいと思っているんです」
聞けば聞くほど林之助の胸は痛くなった。彼は飲んだ茶を吐き出したくなった。
弥太郎もよほど気の毒になったのと、一つはお染に対する見得《みえ》もまじっているらしく、幾らかの銀《かね》を紙に包んで、お前の行くついでにこれをお里にやってくれと出した。林之助も見ていられなくなって、彼も紙に包んだものをお染の手へ渡した。
しかし、この位のことでは済むまい。自分はなんとか特別の算段をしてやらなければなるまいと、彼は胸のなかでその銀《かね》の工面《くめん》を考えた。それにしても、ここに唯ぶらぶらしていてはどうにもならなかった。
彼はいい加減の口実を作って、弥太郎にわかれてひとまず不二屋を出た。
「どこへ行こう」
少なくも一両の金がほしいと彼は思った。その工面が付かなければ二|歩《ぶ》でも三歩でもいいが、旗本屋敷の中小姓ではその取り分も知れている上に、暇さえあれば遊びあるいて無駄な小遣い銭をつかい尽くしている今の彼は、食うにこそ不自由はないが、百文《ひゃく》でも余分のたくわえなどのあろう筈はなかった。しかもそ
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