てそうでした。いわゆる内股膏薬で、敵にも付けば味方にも付く。義理人情は構わない、銭になれば何でもする。こういう安っぽい奴に逢っちゃあ堪まりません。藤吉から幾らか貰って、三甚の隠れ家を教えながら、又わたくしの方へ来て金蔵の隠れ家を教える。どうにもこうにも仕様のない野郎で、藤吉と一緒に暗いところへ抛り込んでやろうかと思ったのですが、なにしろ金蔵のありかを密告した功があるので、まあ助けて置いてやりました。
藤吉は高田馬場まで三甚を追って行ったが、そこでわたくしに出逢ったので、これはあぶないと思って、もうそれぎりで止《や》めたそうですから、その後の三甚は何かの思い違いで、むやみに逃げ廻っていたのでしょう。藤吉が植新へ押し掛けて行って、半七の名を騙《かた》ったのは、千次の奴からわたくしの事を聞いていたからです。藤吉はふところに短刀を呑んでいて、見つけ次第に三甚を突き殺すつもりだったと云いますから、まあ逃げていた方が無事だったかも知れません」
「三甚はその後どうしました」
「こうなっちゃあ旦那方の信用をうしない、仲間の者に顔向けも出来ず、とうとう二代目の株を捨てて、さつきの婿のようになってしまい
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