で、わたくし共も手をわけて探索していると、藤吉は千住の深光寺へ押込みにはいりました。寺の納所《なっしょ》たちが銅鑼《どら》をたたいて騒ぎ立てたので、近所の者も駈けつけて来る。藤吉もあわてて逃げ出したが、暗いので見当が付かず、寺内の大きい池へころげ落ちたところを、大勢に取り押さえられました。惣吉と松之助も板橋の寺をあらして召捕られ、藤吉も千住の寺で押さえられる。これも何かの因縁でしょう。
 牢ぬけをしたばかりで、みんな一文無しですから、ただ遊んでもいられないのでしょうが、藤吉は四月末から五月にかけて、近在を六カ所も荒らしていたそうです。その申し立てによると、藤吉は三甚を付け狙って、芝のあたりに立ち廻ったが、どうも機会がない。そのうちに、三甚は身延まいりと称して姿をかくしたので、そのあとを追って高田へ行ったと云うのです」
「三甚が高田へ行ったことを、藤吉がどうして知ったのでしょう」
「本人は自分で探し当てたと云うが、どうも怪しい。まさかに三甚の子分が洩らしたのでもあるまいが、さつきの奉公人か、さもなければ千次の奴がしゃべったに相違ないと見込みを付けて、まず千次を取っ捉まえて調べると、果たし
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