す」
お角の腕は半七の想像以上に凄いものであるらしかった。
五
「お角が蟹の写真を撮らせたのは、いつ頃のことだね」と、半七は訊いた。
「六月の初め……五、六日頃の事とおぼえています」と、吾八は説明した。「これは先生もお角もわたくしには隠しているので、詳しいことは判りませんが、なんでも二人が夕がたに酔って帰って来て、奥で話しているのを聞きますと、お角はそのとき裸の写真を撮らせたらしいのです。お角は酔ったまぎれに大きな声でこんなことを云っていました……。いくらあたしのような女でも、あんな恥かしい事をしたのは生まれて初めてだ。それもみんなお前さんの為じゃあないか。だが、あとになって考えてみると、あんな真似をして二十ドルは廉《やす》かった。五十ドルも取ってやればよかった……。それを宥《なだ》めているような先生の声は低いので、よく聴き取れませんでした。その晩はそれで済んで、その明くる日からはいつもの通りに仲好くしていましたが、お角はその二十ドルを先生に渡さないらしいのです。口ではお前さんの為だなぞと云いながら、先生には一文もやらないようでした」
「お角はほかに情夫《おとこ》でもあ
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