とも》から突かれたので、その悪口が一層手ひどくわが身に堪えたのでしょう。源七にむかって、なんでも可《い》いから是非|刺青《ほりもの》をしてくれと頼んだのですが、老爺《じい》さんも素直に諾《うん》とは云わなかったそうです。
「お前さんはからだが弱いので、刺青をしないと云うことも予て聞いている。まあ、止したほうが可いでしょうよ。」
 こんな一通りの意見は、逆上《のぼ》せ切っている清吉の耳に這入ろう筈がありません、邪《じゃ》が非《ひ》でも刺青をしてくれ、それでなければ男の一|分《ぶん》が立たない。死んでも構わないから彫ってくれと、斯う云うのです。源七も仕方がないから、まあ兎も角も念のためにその身体をあらためて見ると、なるほど不可《いけ》ない。こんな孱弱《かよわ》いからだに朱や墨を注《さ》すのは、毒を注すようなものだと思ったが、当人は死んでも構わないと駄々を捏ねているのですから、この上にもうなんとも云いようがない。それでも商売人は馴れているから、先ずこんなことを云いました。
「それほどお望みなら彫ってあげても可《い》いが、きょうはお前さんが酔っているようだからおよしなさい。」
 清吉は酔ってい
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