り]
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雲哲 あ、勘太郎が來た。
與助 なに、勘太郎が來た。
願哲 ほんたうに來た、來た。
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(人々は顏をみあはせ、權三と助十は思はずあとへ退る。勘太郎は何氣なく一同に挨拶する。)
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勘太郎 みなさん、急にお涼しくなりました。
與助 (なんだか氣の毒さうに。)朝晩はめつきりと涼風《すゞかぜ》が立つて來ました。
勘太郎 御近所に居りながら、つい/\御無沙汰ばかり致して居ります。
與助 はい、はい。おたがひ樣で……。
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(人々は勘太郎のこゝろを測《はか》りかねて、不安らしく眺めてゐる。)
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勘太郎 駕籠屋の權三さんと助十さんの家はここでございますね。
おかん (もぢ/\しながら。)はい、はい。
助八 (度胸を据ゑて進み出づ。)そつちが權三、こつちが助十の家ですが、なんぞ御用ですかえ。
勘太郎 とき/″\錢湯でお目に
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