れい》もあるかと柏林《かしわばやし》の測量《そくりょう》にとりかかっております」
「ふう。正※[#「※」は「偏」のにんべんが行にんべん、第3水準1−84−34、83−5]知《しょうへんち》のお徳《とく》は風のようにみんなの胸《むね》に充《み》ちる。あしたの朝はヒームキャの河《かわ》の岸《きし》までわしがお迎《むか》えに出よう。みなにそう伝《つた》えてくれ。お前は夜明の五時に参《まい》れ」
「かしこまりました」白髯《しろひげ》の大臣《だいじん》はよろこんで子供《こども》のように顔を赤くして王さまの前を退《さ》がりました。
次の夜明になりました。
王様《おうさま》は帳《とばり》の中で総理大臣《そうりだいじん》のしずかにはいって来る足音を聴《き》いてもう起《お》きあがっていられました。
「申《もう》し上げます。ただいまちょうど五時でございます」
「うん、わしはゆうべ一晩《ひとばん》ねむらなかった。けれども今朝《けさ》わしのからだは水晶《すいしょう》のようにさわやかだ。どうだろう、天気は」王さまは帳《とばり》を出てまっすぐに立たれました。
「大へんにいい天気でございます。修彌山《
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