もう駄目《だめ》です。落《お》ちてから四十五分たちましたから」
 ジョバンニは思わずかけよって博士《はかせ》の前に立って、ぼくはカムパネルラの行った方を知っています、ぼくはカムパネルラといっしょに歩いていたのです、と言《い》おうとしましたが、もうのどがつまってなんとも言《い》えませんでした。すると博士《はかせ》はジョバンニがあいさつに来たとでも思ったものですか、しばらくしげしげジョバンニを見ていましたが、
「あなたはジョバンニさんでしたね。どうも今晩《こんばん》はありがとう」とていねいに言《い》いました。
 ジョバンニは何も言《い》えずにただおじぎをしました。
「あなたのお父さんはもう帰っていますか」博士《はかせ》は堅《かた》く時計《とけい》を握《にぎ》ったまま、またききました。
「いいえ」ジョバンニはかすかに頭をふりました。
「どうしたのかなあ、ぼくには一昨日《おととい》たいへん元気な便《たよ》りがあったんだが。今日《きょう》あたりもう着《つ》くころなんだが。船《ふね》が遅《おく》れたんだな。ジョバンニさん。あした放課後《ほうかご》みなさんとうちへ遊《あそ》びに来てくださいね」
 そ
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