う言《い》いながら博士《はかせ》はまた、川下の銀河《ぎんが》のいっぱいにうつった方へじっと眼《め》を送《おく》りました。
 ジョバンニはもういろいろなことで胸《むね》がいっぱいで、なんにも言《い》えずに博士《はかせ》の前をはなれて、早くお母さんに牛乳《ぎゅうにゅう》を持《も》って行って、お父さんの帰ることを知らせようと思うと、もういちもくさんに河原《かわら》を街《まち》の方へ走りました。



底本:「銀河鉄道の夜」角川文庫、角川書店
   1969(昭和44)年7月20日改版初版発行
   1987(昭和62)年3月30日改版50版
入力:幸野素子
校正:土屋隆
2005年8月18日作成
青空文庫作成ファイル:
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