方へ洲《す》のようになって出たところに人の集《あつ》まりがくっきりまっ黒に立っていました。ジョバンニはどんどんそっちへ走りました。するとジョバンニはいきなりさっきカムパネルラといっしょだったマルソに会《あ》いました。マルソがジョバンニに走り寄《よ》って言《い》いました。
「ジョバンニ、カムパネルラが川へはいったよ」
「どうして、いつ」
「ザネリがね、舟《ふね》の上から烏《からす》うりのあかりを水の流《なが》れる方へ押《お》してやろうとしたんだ。そのとき舟《ふね》がゆれたもんだから水へ落《お》っこったろう。するとカムパネルラがすぐ飛《と》びこんだんだ。そしてザネリを舟《ふね》の方へ押《お》してよこした。ザネリはカトウにつかまった。けれどもあとカムパネルラが見えないんだ」
「みんなさがしてるんだろう」
「ああ、すぐみんな来た。カムパネルラのお父さんも来た。けれども見つからないんだ。ザネリはうちへ連《つ》れられてった」
 ジョバンニはみんなのいるそっちの方へ行きました。そこに学生たちや町の人たちに囲《かこ》まれて青じろいとがったあごをしたカムパネルラのお父さんが黒い服《ふく》を着《き》てまっ
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