五|疋《ひき》ちょろちょろ出て参《まい》りました。そしてホモイの前にぴょこぴょこ頭を下げて申《もう》しました。
「ホモイさま、どうか私どもに鈴蘭《すずらん》の実《み》をお採《と》らせくださいませ」
ホモイが、
「いいとも。さあやってくれ。お前たちはみんな僕《ぼく》の少将《しょうしょう》だよ」
りすがきゃっきゃっ悦《よろこ》んで仕事《しごと》にかかりました。
この時|向《む》こうから仔馬《こうま》が六|疋《ぴき》走って来てホモイの前にとまりました。その中のいちばん大きなのが、
「ホモイ様《さま》。私どもにも何かおいいつけをねがいます」と申《もう》しました。ホモイはすっかり悦《よろこ》んで、
「いいとも。お前たちはみんな僕《ぼく》の大佐《たいさ》にする。僕《ぼく》が呼《よ》んだら、きっとかけて来ておくれ」といいました。仔馬《こうま》も悦《よろこ》んではねあがりました。
むぐらが土の中で泣《な》きながら申《もう》しました。
「ホモイさま、どうか私にもできるようなことをおいいつけください。きっと立派《りっぱ》にいたしますから」
ホモイはまだおこっていましたので、
「お前な
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