やすみだ。
[#ここで字下げ終わり]


[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
四月三日 今日はいい付《つ》けられて一日古い桑《くわ》の根掘《ねほ》りをしたので大へんつかれた。
[#ここで字下げ終わり]


[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
四月四日、上田君《うえだくん》と高橋君《たかはしくん》は今日も学校へ来なかった。上田君は師範《しはん》学校の試験《しけん》を受《う》けたそうだけれどもまだ入ったかどうかはわからない。なぜ農《のう》学校を二年もやってから師範学校なんかへ行くのだろう。高橋君は家で稼《かせ》いでいてあとは学校へは行かないと云ったそうだ。高橋君のところは去年《きょねん》の旱魃《かんばつ》がいちばんひどかったそうだから今年はずいぶん難儀《なんぎ》するだろう。それへ較《くら》べたらうちなんかは半分でもいくらでも穫《と》れたのだからいい方だ。今年は肥料《ひりょう》だのすっかり僕《ぼく》が考えてきっと去年の埋《う》め合せを付《つ》ける。実習《じっしゅう》は苗代掘《なわしろほ》りだった。去年の秋小さな盛《も》りにしていた土を崩《くず》すだけだったから何でもなかっ
前へ 次へ
全31ページ中5ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮沢 賢治 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング