(コロナは六十三万十五
 ※[#ト音記号、52−2]‥‥‥
 ※[#ト音記号、52−3]‥‥‥                    )
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 おおこまどり、鳴いて行く鳴いて行く、音譜《おんぷ》のように飛《と》んで行きます。赤い上着《うわぎ》でどこまで今日はかけて行くの。いいねえ、ほんとうに、
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かえれ、こまどり、アカシヤづくり。
赤の上着《うわぎ》に野やまを越《こ》えて
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(※[#ト音記号、52−8]‥‥‥
 ※[#ト音記号、52−9]‥‥‥
 コロナは三十七万二千
 ※[#ト音記号、52−11]‥‥‥                    )
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 そこの角から赤髪《あかげ》の子供《こども》がひとり、こっちをのぞいてわらっています。おい、大将《たいしょう》、証書《しょうしょ》はちゃんとしまったかい。筆記帳《ひっきちょう》には組と名前を楷書《かいしょ》で書いてしまったの。
 さあ、春だ、うたったり走ったり、とびあがったりするがいい。風野又三郎《かぜのまたさぶろう》だって、もうガラスのマントをひらひ
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