イーハトーボ農学校の春
宮沢賢治
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)太陽《たいよう》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)一|枚《まい》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#ト音記号、48−12]
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太陽《たいよう》マジックのうたはもう青ぞらいっぱい、ひっきりなしにごうごうごうごう鳴っています。
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[#太陽マジックのうたの楽譜(fig45472_01.png)入る]
[#ここで字下げ終わり]
わたしたちは黄いろの実習服《じっしゅうふく》を着《き》て、くずれかかった煉瓦《れんが》の肥溜《こえだめ》のとこへあつまりました。
冬中いつも唇《くちびる》が青ざめて、がたがたふるえていた阿部時夫《あべときお》などが、今日はまるでいきいきした顔いろになってにかにかにかにか笑《わら》っています。ほんとうに阿部時夫なら、冬の間からだが悪《わる》かったのではなくて、シャツを一|枚《まい》しかもっていなかったのです。それ
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